事例作成日:2003/06/24
更新日:2003/06/24
質問
(66)太っているからとか、美しくないからという理由で解雇されて裁判を起こした例がありますか。
カテゴリ
05. 政治・政策・法律07. 労働・社会保障
ヒアリングのポイント
・職場でセクシュアル・ハラスメントを受けている当事者が労働裁判の過去のケースを参考にしたいのか。
・裁判の原告になるための準備をしたいのか。
・解雇理由の性差について知りたいのか。
・論文・研究・執筆活動などのテーマの参考としたいのか。
・詳しい判決文、判例なども知りたいのか。
参考資料・情報源
・自館所蔵資料データベース
・WinetCASS(文献情報データベース)
・インターネット
・判例検索
提供情報・回答
<図書>
・大脇雅子(ほか)『働く女たちの裁判:募集・採用からセクシャル・ハラスメントまで』学陽書房、1996
<行政資料>
・『働く女性と労働法』(年刊)東京都産業労働局
*過去の女性労働関係事件と判決の概要が記されている。
*エール・フランス事件(太りすぎを理由とする契約更新拒絶・東京地裁昭和49年8月7日判決)では更新拒絶権の濫用につき労働者が勝訴した。
*美醜の基準は客観的な事柄でむずかしいが、特に女性の場合は若さが美しさの要件とされる場合が多い。女性のみに年齢差別が適用された解雇・配置転換・定年制もたびたび問題になっている。アルバイト・スチュワーデスも企業の経費節減のほかに、形を変えた若年定年制と認識されている。
<アルバイト・スチュワーデス関係資料>
・鎌田慧 『スチュワーデスはアルバイトでよいのか』(岩波ブックレットNo.381)岩波書店、1995
<アメリカの労働における女性差別の事例参考資料>
・アメリカ自由人権協会編 『女性は裁判でどうたたかうか : アメリカ・女性の権利』教育史料出版会、1997
コメント
ファッション・モデルなど容姿そのものが職務に関係する職業が認められていることから、ある種の職業と容貌の関係は単純ではないが、司法における男女平等の視点は男女共同参画社会の最重要課題である。労働だけではなく民事関係でも女性が原告となる裁判事例が増加しており、裁判官や弁護士を対象とした男女平等教育の整備や、判例に関する問い合わせも寄せられるので、対応できるように情報の準備をしておきたい。