事例

事例作成日:2021/04/07
更新日:2021/04/07

質問

(311)「毒親」という言葉を最近よく聞きますが、「アダルト・チルドレン」とはどのような関係がありますか。「毒親」をテーマに講座を開きたいと思っていますが、その際に参考になる本や講演者候補となる著者を知りたいです。

カテゴリ

04. 性・心・からだ・健康06. 社会09. 世帯・家族

ヒアリングのポイント

講座の対象がどのような人たちであるかにより、参考となる情報や資料も異なるため確認する。
例)
・毒親に苦しんでいる人、自分が毒親なのではないかと悩んでいる人などの当事者
・毒親やアダルト・チルドレンに対する理解を深めるための一般向け
・悩みを持つ人の支援をする相談者や行政機関の担当者

参考資料・情報源

・自館所蔵データベース
・国立女性教育会館情報ポータル“Winet”「文献情報データベース」
・国立情報学研究所CiNii Articles、CiNii Books
・インターネット

提供情報・回答

毒親は「過干渉や暴言、暴力などによって、子どもを支配し、子どもに悪影響を与える親」であり、アダルト・チルドレンは「機能不全家庭で育ったことにより、成人してからも心に傷を抱えている人」のことを指す。
毒親によって育てられた子ども=アダルト・チルドレンではなく、アダルト・チルドレンの多くが毒親持ちであるが、その因果関係は必ずしも絶対ではない。
体験談や、どう克服したか、あるいは毒親と離れたかなどを知るための情報と、支援者が適切なフォローをすることに焦点をあてた情報では内容が異なるため、講座の対象者に合わせる。
講演者については、毒親関連の著書ばかりでなく、家族問題、母子関係の研究者・カウンセラーが考えられる。

◆図書
・中野信子『毒親:毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』ポプラ社、2020
・田房永子『母がしんどい』KADOKAWA、2020
・石川結貴『毒親介護』文藝春秋、2019
・おおたとしまさ『ルポ教育虐待:毒親と追いつめられる子どもたち』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019
・菊池真理子『毒親サバイバル』KADOKAWA、2018
・水島広子『毒親の正体:精神科医の診察室から』新潮社、2018
・斎藤学『「毒親」の子どもたちへ』メタモル出版、2015
・スーザン・フォワード;羽田詩津子訳『毒親の棄て方:娘のための自信回復マニュアル』新潮社、2015
・金森浦子『「毒になる母親」を乗り越える11のリスト』講談社、2012
・キャリル・マクグライド;江口泰子訳『毒になる母親:自己愛マザーに苦しむ娘たちの告白』飛鳥新社、2012

◆雑誌記事
・「育て直し」で大人への経験やり直す 健全な夫婦関係が毒親予防に 毒親チェックリスト付き 毒親連鎖を断つ:おおたわ史絵「誰にも毒親になる要素がある」 小島慶子「母には自分自身か敵かの2種類しか存在しない」『週刊朝日』125(49)、2020.9、p.122-125
・信田さよ子「母と娘という問題系:これまでとこれから」『こころの科学』増刊号、2020.1、p10-16
・寺田和代「中高年AC女性と介護:関係の悪い母の最期をめぐって」『こころの科学』増刊号、2020.1、p.32-39

◆新聞記事
・佐藤陽「知っ得なっ得:「毒親」を考える (1)~(4)」『朝日新聞』、2020.09.05-26
・奥野斐「子ども虐待を防ぐ 親子の笑顔のために : 教育ジャーナリスト おおたとしまさ さん:親の不安投影しないで:過度な要求 教育虐待に」『東京新聞』、2019.11.18
・田村彰子「特集ワイド:家事できず悩む母親 : 家事・育児が苦手な母親 精神的DV受けるケースも:原因は発達障害?」『毎日新聞』2019.04.19

◆参考事例
(115)子どもを愛せずに悩んでいる友人(母親)に本を紹介してあげたいのですが、どのようなものがありますか。
(237)「母娘問題」とは、どんな問題ですか。

コメント

インターネットで「毒親」「アダルト・チルドレン(AC)」というキーワードで検索すると、根拠不明なチェックリストや体験談を綴ったブログ、自己啓発講座やカウンセリングの営業サイトが多くヒットすることから、情報収集には十分注意が必要である。

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