事例

事例作成日:2020/03/26
更新日:2020/03/26

質問

(304)民族として長い間認められなかったアイヌの女性について、受けてきた差別や実態を知りたいのですが。

カテゴリ

02. 歴史・民族・宗教05. 政治・政策・法律10. くらし・環境

ヒアリングのポイント

レポート作成や研究のためか、当事者または支援者として調べたいのかなど質問者の意図を確認する。
どの時代、地域に関する資料が必要か、またアイヌ民族全体が受けた差別や生活実態についての資料も必要かなどを確認する。

参考資料・情報源

・自館所蔵データベース
・国立女性教育会館情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
・国立情報学研究所CiNii Books
・インターネット

提供情報・回答

アイヌ社会における男女の分業や、アイヌ女性の生活実態について取り上げた資料及び近年行われたアイヌ民族に関する統計資料を以下に提示する。時代・地域によって文化や実態が異なる場合があるので、質問者の目的に応じて複数の資料を提示するとよい。なお、アイヌの方が書いた文献は少ないことも留意する。

◆図書
・遠山サキ語り;弓野恵子聞き書き『アネサㇻシネウㇷ゚ソㇿ:アイヌとして生きた遠山サキの生涯』地湧社、2019
・計良智子『フチの伝えるこころ:アイヌの女の四季=The spirit of huci : four seasons of an Ainu woman』寿郎社、2018
・須知徳平『北の詩(うた)と人:アイヌ人女性・知里幸恵の生涯』岩手日報社、2016
・日本社会教育学会年報編集委員会編『アイヌ民族・先住民族教育の現在』東洋館出版社、2014
 *島崎直美「アイヌ民族女性の学びの歴史と課題」所収
・北原きよ子『わが心のカツラの木:滅びゆくアイヌといわれて』岩波書店、2013
・宇梶静江『すべてを明日の糧として:今こそ、アイヌの知恵と勇気を』清流出版、2011
・萩中美枝『アイヌ文化への招待:女性と口承文芸』三弥井書店、2007
・瀬川清子『アイヌの婚姻』(新装版)、未来社、1998
・本田優子『二つの風の谷:アイヌコタンでの日々(ちくまプリマーブックス;114)』筑摩書房、1997
・海保洋子『近代北方史:アイヌ民族と女性と』三一書房、1992
・藤本英夫『銀のしずく降る降るまわりに:知里幸恵の生涯』草風館、1991

◆雑誌記事
・「アイヌ・部落・在日コリアン・沖縄の女性による調査提言活動:欠如する歴史性の考慮と政策」『ジェンダー法研究』3号、p.105-137、2016.12
・多原良子「現代のアイヌ女性の生きづらさ」『女たちの21世紀』75号、p.48-49、2013.9
・高橋彩, 背名波栄潤「公開シンポジウム報告「先住民族であり女性であること:自律と共生のジェンダー史」」『Gender history = ジェンダー史学』4号、p.150-152、2008.10
・児島恭子「アイヌ史におけるジェンダー」『総合女性史研究』17号、p.56-64、2000.3

◆新聞記事
・弓野恵子(アイヌ文化アドバイザー)「母が語ったアイヌの心:差別の経験・民俗行事への関わり...喜怒哀楽を1冊に」『日本経済新聞』、2019.06.20
・出田阿生「土曜訪問:アイヌ文化の担い手を育成 本田優子さん(札幌大教授):「ウレシパ」で未来へ」『東京新聞』、2018.02.10
・「初のアイヌ民族女性組織 5月にも設立総会 準備会」『北海道新聞』、2017.01.23
 *「アイヌ女性会議メノコモシモシ」設立を伝える記事
 団体サイト、2019.3.18アクセス、
 https://menokomosmos.webnode.jp/
・「民族、性別...「複合差別」実情訴える:札幌アイヌ協の女性3人:15日国連委へ」『北海道新聞』、2016.02.13

【調査資料】
・社団法人北海道ウタリ協会札幌支部他編『立ち上がりつながるマイノリティ女性:アイヌ女性・部落女性・在日朝鮮人女性によるアンケート調査報告と提言(現代世界と人権;21)』解放出版社、2007
・北海道環境生活部『平成29年北海道アイヌ生活実態調査報告書』アイヌ政策推進局アイヌ政策課、2019.4.10、2019.10.28アクセス、
 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/H29_ainu_living_conditions_survey_.pdf

○参考:アイヌ民族に関する資料、情報
・「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」2019年5月24日施行、『電子政府の総合窓口 e-Gov』、2020.1.28アクセス、
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=431AC0000000016
*アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記したアイヌ新法
・瀬川拓郎『アイヌ学入門(講談社現代新書;2304)』講談社、2015
・ペウレ・ウタリの会50年記念誌編集委員会編『ペウレ・ウタリ:ペウレ・ウタリの会50年記念誌』ペウレ・ウタリの会、2016
・『ウポポイ(民族共生象徴空間)』、アイヌ民族文化財団、2020.2.5アクセス、
 https://ainu-upopoy.jp/
*2020年4月開館、アイヌ文化復興等のナショナルセンター

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