事例

事例作成日:2019/03/25
更新日:2019/03/25

質問

(301)アンコンシャス・バイアスという言葉を最近よく聞きますが、ジェンダーバイアスとの違いを教えてください。

カテゴリ

01. 思想・理論・運動06. 社会07. 労働・社会保障

ヒアリングのポイント

研究や業務のためか、当事者として調べたいのかなど、質問者の意図を確認する。

参考資料・情報源

・女性情報ポータル“Winet”「文献情報データベース」
・自館OPAC
・インターネット

提供情報・回答

アンコンシャス・バイアスは、過去の経験や周りの環境などから、自分自身では気付かないうちに身に着いたものの見方や捉え方の偏りのことで、「無意識の偏見(思い込み)」と訳されます。一方、ジェンダーバイアスは、社会的・文化的性差別、あるいは偏見のことで、意識的、無意識的な偏見を包含します。ジェンダー以外のバイアス(偏見)の対象は、年齢、人種、貧富等があげられます。
少子高齢化、グローバル化により、企業におけるダイバーシティマネジメントが推奨されるとともに、アンコンシャス・バイアスも2000年前後から新しい概念として着目されてきました。女性活躍推進のための意識変革のキーワードとして、メディア等で取り上げられています。
文献情報データベース、自館OPAC、インターネットで「アンコンシャス・バイアス」「ジェンダーバイアス」「無意識の偏見」「無意識の思い込み」「ダイバーシティ」「偏見」「差別」をキーワードに検索

◆インターネット
・「無意識のバイアス-Unconscious Bias-を知っていますか?」『男女共同参画学協会連絡会』2017 
https://www.djrenrakukai.org/shiryou.html#chapter-2
 ※2016年お茶の水女子大学で開催されたシンポジウムを元に取りまとめられ、研究者、カテゴリー、具体例、影響、診断テスト、研修用ツールなどを紹介。日本語版、英語版2018.10.30アクセス
・「男女共同参画・女性活躍の推進に向けた重点取組事項について」『男女共同参画会議』、2018.5.23
http://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/pdf/ke20180523.pdf
※Ⅲ女性活躍のための基盤整備、2.性別にとらわれず多様な選択を可能とするための教育・学習の充実、<学校現場等におけるいわゆる「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」への対応>において、教職員に対する啓発や取り組みを進めるべきである、と記載。2018.10.30アクセス
・「主な人権課題」『法務省』
http://www.moj.go.jp/JINKEN/kadai.html
 ※差別の対象となりうる、女性、高齢者、性的指向など16の主な人権課題をあげている。2018.10.30アクセス
・「診断テスト IATテスト(Implicit Association Test)」『Project Implicit』 日本語版
https://implicit.harvard.edu/implicit/japan/
 ※ハーバード大学の研究グループが作成。WEB上でアンコンシャス・バイアスの自己診断テストを無料で受けられます。2018.10.30アクセス

◆新聞記事
・今村茜「育児と企業 改革の現場から(下) : 制約ある働き方 体験し理解 : 意識変えた「試み」」『毎日新聞』2018.08.30
・天野由輝子, 河野俊, 井上孝之, 松浦奈美, 河内真帆「セクハラゼロへの道 下 : 罰則なし、世界に遅れ :「無意識の偏見」自覚を」『日本経済新聞』2018.06.30
・高橋末菜「DearGirls : 男性はリーダー向き女性が育児すべきだ それはアンコンシャス・バイアス「無意識の偏見」です」『朝日新聞』2018.03.08
・福士由佳子「生活調べ隊 : 子育て中の女性は大変 重い仕事は任せない「無意識の偏見」に気づく : 企業の研修など拡大」『読売新聞』2018.01.16
・林真奈美「とれんど : 「無意識の偏見」の壁」『読売新聞』2017.12.09
・石塚由紀夫「Women&Work : 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)女性活躍阻む : きつい仕事はかわいそう? : 休みを取るにはワーママ?」『日本経済新聞』2017.11.27
・潟山美穂「「育児で出張無理」「シニアはパソコン苦手」「無意識の偏見」自覚してる? : 企業が研修多様な人材生かす契機に : BCG人材開発責任者マット・クレンツ氏例外措置働きにくく」『日本経済新聞』2016.11.15

◆図書
・Amarette Filut, Anna Kaatz, and Molly Carnes、大坪久子, 田中順子共訳『無意識のバイアス : 女性のキャリア形成にあたえるインパクト』笹川平和財団、2018
・イリス・ボネット、池村千秋訳『WORK DESIGN 行動経済学でジェンダー格差を克服する』NTT出版、2018
・山崎紅『企業が生まれ変わるための「働き方改革」事例集』 日経BP社、2017
・大崎麻子『働くミレニアル女子が身につけたい力 エンパワーメント』経済界、2017
・ギンカ・トーゲル、小崎亜依子+林寿和訳・構成『女性が管理職になったら読む本』日本経済新聞出版社、2016
・MRバナージ+AGグリーンワイルド、北村英哉+小林知博訳『心の中のブラインド・スポット 善良な人々に潜む非意識のバイアス』北大路書房、2015
・S・T・フィスク+S・E・テイラー、宮本聡介+唐沢穣+小林知博+原奈津子編訳『社会的認知研究 脳から文化まで』北大路書房、2013.
・ポーラ・J・カプラン+ジェレミー・B・カプラン、森永康子訳『認知や行動に性差はあるのか 科学的研究を批判的に読み解く』北大路書房、2010
・川口章『ジェンダー経済格差:なぜ格差が生まれるのか,克服の手がかりはどこにあるのか』勁草書房、2008

◆雑誌記事
・「インタビュー アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を意識する : アパショナータ代表 コンサルタント パク・スックチャ氏に聞く (特集 あらゆる人材の活躍が会社を救う!)」
『人事実務』 55号、p.16-19、2018.1
・「まなぶ論壇 アンコンシャスバイアス」『まなぶ』734号、p.60-63、2018.2
・東海ジェンダー研究所 編「ジェンダー研究が切り拓く地平 : 大学改革、エクセレンス、無意識の偏見」『ジェンダー研究 = Gender studies : annals of the Tokai Foundation for Gender Studies 』20号、p.97-108、2018.2
・「女性活用 管理職側にいまだ残る無意識の偏見を排除できるか (特集 2017総予測 ; 働き方)」『週刊ダイヤモンド = Diamond weekly』105号、p.142、2016.12.31-2017.1.7

コメント

ページトップへ

女性情報ポータルWinet
  • 国立女性教育会館 女性教育情報センター

  • 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728/

    tel: 0493-62-6195/mail:infodiv@ml.nwec.go.jp