事例

事例作成日:2019/03/25
更新日:2019/03/25

質問

(298)民法改正により、日本では2022年4月1日より女性が結婚できる年齢が18歳以上に引き上げられることになりましたが、世界の児童婚の背景や現状、これまでの変化がわかるような資料はありますか。

カテゴリ

02. 歴史・民族・宗教09. 世帯・家族

ヒアリングのポイント

調査の方向性として優先するのは、児童婚の現状(児童婚の件数やその推移)なのか、特定の地域の児童婚の現状(児童婚の地域性や文化的背景)なのか等をヒアリングする。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・国立女性教育会館女性情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
・インターネット

提供情報・回答

一般に、児童婚(child marriage)と定義されるのは、18歳未満での結婚、またはそれに相当する状態である。児童婚の状態にある男の子もいるが、女の子が児童婚の対象となるケースが圧倒的に多いのが現状となっている。
「文献情報データベース」等の「児童婚」「child marriage」をキーワードとした検索結果によると、児童婚をテーマとした和書は少なく、洋書または新聞記事が文献調査の主な手段となる。また、ユニセフ(国連児童基金)のWebサイトには、児童婚の現状がわかりやすく紹介されている。
利用者が特定の地域の児童婚について知りたい場合には、児童婚に関連する様々な社会問題(女性器切除等の伝統的習慣、未成年の妊娠・出産、性暴力、児童虐待)を扱った図書からアプローチする方法もある。

◆図書
・久保田恭代, 寺田聡子, 奈良崎文乃『わたしは13歳、学校に行けずに花嫁になる。 : 未来をうばわれる2億人の女の子たち』合同出版、2014
・『Ending child marriage : a guide for global policy action』International Planned Parenthood Federation、2006
・Arthur P. Wolf and Chieh-shan Huang『Marriage and adoption in China, 1845-1945』
Stanford University Press、1980
・Eleanor F. Rathbone『Child marriage : the Indian Minotaur : an object-lesson from the past to the future』George Allen & Unwin、1934

◆雑誌記事
・樋口里華「なぜ、その人と結婚するのか : インド都市部における配偶者選択の変化」『九州国際大学国際関係学論集』7巻2号p.27-50、2012.3

◆新聞記事
・奥田哲平「「児童婚」根絶には経済と教育 : 12歳で結婚子どもと通学し学習 : 作家メルハ・アブドラさん : サウジ社会女性進出の兆し」『東京新聞』2019.1.21
・奥田哲平「買春と知らず少女は花嫁に : エジプト「児童婚」に付け込む湾岸の富裕層 : 会ったその日 父に9万5000円」『東京新聞』2018.10.29
・三島あずさ「いちからわかる : 『国際ガールズデー』なぜできたの? : 教育や児童婚、女の子の置かれる状況の改善をめざすよ」『朝日新聞』2017.10.04
・「アフリカ、児童婚3億人ユニセフ50年までの推計」『日本経済新聞』, 2015.12.02
・「アフリカの児童婚50年には3億人」『産経新聞』2015.11.27
・国連児童基金(UNICEF)東京事務所代表平林国彦「私の視点 : 児童婚 : 女の子に犠牲強いる悪弊」『朝日新聞』2012.10.17

◆インターネット 
ユニセフ(国連児童基金)
https://data.unicef.org/resources/data-children-strategic-framework/
https://data.unicef.org/resources/child-marriage-latest-trends-and-future-prospects/
「Child Marriage Latest trends and future prospects」 pdf でダウンロードできます

・世界では、約6億5,000万人の女性と女の子が18歳未満で結婚しており、そのうち4人にひとり以上が15歳未満で結婚している。
・児童婚の程度は国によって大きく異なるが、児童婚を経験した女性と女の子の44%が南アジア、18%が東アジアと太平洋地域、18%がアフリカで暮らしている。
・児童婚は全体的には減ってきてはいるが、その減少の速度は緩やか。特にアフリカでは急激な人口増加にその減少率が追い付かず、児童婚を経験する子どもの数は2050年までに25億人に増加する見込み。
・児童婚は、貧困家庭、そして都市部よりも地方で、特に多い傾向。

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