事例

事例作成日:2013/12/26
更新日:2013/12/26

質問

(254)男女平等に関する国際的なランキングで、GEM(ジェンダーエンパワーメント指数)が新しい指標に変わっているそうですが、どのようなものでしょうか。

カテゴリ

06. 社会

ヒアリングのポイント

何に利用したいのか、どの程度まで詳しく知りたいのかを確認する。

参考資料・情報源

・国立女性教育会館女性情報ポータル”Winet”「女性情報ナビゲーション」「文献情報データベース」
・インターネット

提供情報・回答

国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書(Human development report)」では、1995年から2009年までGDI(ジェンダー開発指数)とGEM(ジェンダーエンパワーメント測定(指数))を算出していた。
GEMは、女性が政治及び経済活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測る指数で、具体的には、国会議員に占める女性の割合、専門職・技術職に占める女性割合、管理職に占める女性割合、男女の推定所得を用いて算出していた。2009年の日本のランキングは109ヵ国中57位であった。

GEMには様々な批判があったが、2010年、UNDPは新たな指標となるGII(ジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index))を導入した。
GIIは国家の人間開発の達成が男女の不平等によってどの程度妨げられているかを明らかにするもの。次の3側面5指標から構成されている。(出典『男女共同参画白書』(平成23年度版以降に掲載あり))
【保健分野】・妊産婦死亡率・15ー19歳の女性1,000人当たりの出生数
【エンパワーメント】・国会議員女性割合・中等教育以上の教育を受けた人の割合(男女別)
【労働市場】・労働力率(男女別)
この指標では日本は値のよい分野が多いため、2013年は72カ国中21位と比較的高い順位となっている。

上記に比して、評価基準が比較的明確で、男女間の格差だけに注目しているのが、世界経済フォーラムが"The Global Gender Gap Report"に2006年から発表している、GGGI(グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(Global Gender Gap Index))である。以下の4分野12指標から計算される。
【経済分野】・労働力率・同じ仕事の賃金の同等性・所得の推計値
・管理職に占める比率・専門職に占める比率
【教育分野】・識字率・初等,中等,高等教育の各在学率
【健康分野】・新生児の男女比率・健康寿命
【政治分野】・国会議員に占める比率・閣僚の比率・最近50年の国家元首の在任年数
GGGIの解説は『NWEC男女共同参画統計ニュースレター』第2号(2010年3月26日)に掲載されている。バックナンバーはWebからダウンロード可能。2013.9.13アクセス、
 http://www.nwec.jp/jp/publish/GS-NL.html

各年のGIIおよびGGGIへのリンクは、「女性情報ナビゲーション」の「調べ物お役立ちツール>統計/年表>海外のジェンダー統計サイト」にまとめられている。
2013.9.13アクセス、
 http://winet.nwec.jp/navi/modules/weblinks/viewcat.php?cid=299

また、「GEM」「GII」「GGGI」を「文献情報データベース」やGoogle等で検索すると、以下のような資料がヒットする。
・「女性参画 なお政治・経済で遅れ:日本、男女平等指数で落差」『読売新聞』2010.12.04
・竹信三恵子「日本の「男女平等」国際ランク:12位・94位指標で差:「健康」なら上位「登用度」なら下位:「改善度遅い」と指摘」『朝日新聞』2010.11.26
・杉橋やよい「国連開発計画が提唱する新しいジェンダー不平等指数:データ加工の落とし穴」『Cutting-Edge』40・41合併号、2011.02
・杉橋やよい・伊藤陽一「主要統計指標の解説(3):ジェンダー不平等指数GII(UNDPの人間開発報告書の新指標)」『NWEC男女共同参画統計ニュースレター』5号、p.9-11、2011.2.22
・伊藤陽一「主要指標の解説(2):UNDP のジェンダー・エンパワメント尺度(GEM)」『NWEC男女共同参画統計ニュースレター』3号、p.7-9、2010.6.25

コメント

参考事例
(129)世界の中での日本の女性の地位を示す順位を国連が発表していると聞きましたが、どのようなものか教えてください。

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