事例

事例作成日:2013/12/26
更新日:2013/12/26

質問

(251)最近よく、相対的貧困という言葉を聞くようになりましたが、どういうことをさしているのでしょうか。

カテゴリ

05. 政治・政策・法律06. 社会07. 労働・社会保障08. 経済10. くらし・環境

ヒアリングのポイント

1.ただ単に興味をもっただけなのか、レポート作成などのためなのか。
2.反貧困などの支援のために知りたいのか。
3.相対的貧困と絶対的貧困の違いを確認しなくてもよいのか。などを確認する。

参考資料・情報源

・自館所蔵データベース
・国立女性教育会館女性情報ポータル“Winet”「文献情報データベース」
・インターネット

提供情報・回答

◆「相対的貧困」の意味についての説明は、以下のようなサイトがある。
・『キーワード・用語解説』、日本女性学習財団、2013.12.19アクセス、
 http://www.jawe2011.jp/kaisetsu/
 「相対的貧困率」とは、経済協力開発機構(OECD)が定義した貧困を表す社会指標の1つであり、「国民の年間所得を順に並べ、その中央値の50%に満たない所得水準の人々の人口比率」と定義されている。
対比される指標として、「絶対的貧困率」がある。「1日1ドル未満」で生活する人々の人口比率がその一例で、(中略)極度の貧困の指標として用いられている。
 (中略)日本の相対的貧困率は厚生労働省が3年ごとに実施する「国民生活基礎調査」のデータに基づいて算定される。(後略)

◆関連する文献資料
 「文献情報データベース」を「相対的貧困*」(「*」は前方一致)で検索すると、多くの新聞記事がヒットする。
 またOECDが定義していることから、「OECD (スペースはand)貧困」で検索すると、以下の資料がある。
・OECD編著;小島克久・金子能宏訳『格差は拡大しているか:OECD加盟国における所得分布と貧困』明石書店、2010
・OECD編著;麻生裕子訳『図表でみる世界の社会問題:OECD社会政策指標:貧困・不平等・社会的排除の国際比較』明石書店、2006-2008
※1巻では、60頁に公正指標の1つとして、相対的貧困についての定義と測定方法が述べられている。その他の指標として、所得の不平等、子どもの貧困、高齢者の所得などがある。
 2巻の公正指標は、物的貧困、収入の不平等、男女間賃金格差、世代間の移動等となっている。

その他に以下のような資料がある。
【図書・行政資料】
・内閣府男女共同参画局『生活困難を抱える男女に関する検討会報告書:就業構造基本調査・国民生活基礎調査 特別集計』内閣府男女共同参画調査課、2010
※性別、年齢階層別、配偶関係別に、相対的貧困率が計算されている。
 PDFでも提供されている。2013.12.19アクセス、
 http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/konnan/pdf/seikatsukonnan.pdf
・内閣府男女共同参画局編『男女共同参画白書(平成22年版)』内閣府、2010
*上記報告書のデータより、第1部>第5章>第1節「生活困難の実態」で、「男女それぞれに年齢層別に貧困率を推計してみると、ほとんどの年齢層で、男性よりも女性の貧困率が高く、その差は高齢期になると更に拡大する傾向にある」ことが指摘されている。
 PDFでも提供されている。2013.12.19アクセス、
 http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h22/zentai/html/honpen/b1_s05_01.html
・国立女性教育会館;伊藤陽一編『男女共同参画統計データブック:日本の女性と男性2012』ぎょうせい、2012
※90頁の「世帯からみた相対的貧困」の項に、相対的貧困率の説明があり、日本の相対的貧困率の高さと子どもの貧困率の高さに触れている。また、第7章「家計と資産」では、勤労者世帯、単独世帯、母子世帯、高齢者世帯、それぞれで女性の所得の低さが指摘されている。

【雑誌特集号】
・「特集 女性と貧困」『現代思想』40(15)、青土社、2012.11
・「特集 生活保護:女性の貧困とセーフティネット」『女たちの21世紀』73、アジア女性資料センター、2013.3

◆相対的貧困率の推移
 日本女性学習財団『キーワード・用語解説』にある通り、日本の相対的貧困率は厚生労働省が「国民生活基礎調査」(大規模集計は3年に1回)に基づき算定している。最新の2009年までの推移は、以下で公表されている。2013.12.19アクセス、
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html

コメント

1995年に開催された、第4回世界女性会議「行動綱領」第Ⅳ章戦略目標及び行動の1番目が「女性と貧困」であることからも、貧困は、女性により問題であることがわかる。
・『第4回世界女性会議 行動綱領(総理府仮訳)』、内閣府、2013.12.24アクセス、
http://www.gender.go.jp/international/int_standard/int_4th_kodo/index.html

参考事例
(186)日本における貧困問題を男女共同参画の視点で考えるときに参考になる資料を教えてください。
(236)高齢女性の貧困問題について調べています。背景や実情がわかる資料を教えてください。

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