事例

事例作成日:2012/03/26
更新日:2012/03/26

質問

(228)災害時における死亡者数は女性の方が多いと聞きましたが、それを裏付ける資料があれば教えてください。

カテゴリ

06. 社会10. くらし・環境

ヒアリングのポイント

以下の点で、質問者の意図を確認する。
・調べる目的は何か。
・データが必要なのか、その背景まで知りたいのか。
・日本の状況が知りたいのか、海外も必要か。

参考資料・情報源

・国立女性教育会館女性情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
・自館所蔵資料データベース
・インターネット

提供情報・回答

◆インターネット
 Google等で「災害 男女別 死者数」、「震災 死者 性別」等で検索すると、以下のような情報がヒットする。
・内閣府編「第13章 新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進(『男女共同参画白書』平成23年版)」2011.6、内閣府男女共同参画局、2012.3.16アクセス、
 http://www.gender.go.jp/whitepaper/h23/gaiyou/html/honpen/b2_s13.html
*東日本大震災の男女別・年齢階層別死者数(岩手県・宮城県・福島県)が掲載されている。
・池田恵子「災害と男女共同参画をめぐる国際的潮流」、『日本学術会議主催学術フォーラム「「災害・復興と男女共同参画」6.11シンポ」』、2012.1.18アクセス、
 http://www.scj.go.jp/ja/event/houkoku/pdf/230611-houkoku4.pdf
*2011.6.11に行われたシンポジウムにおいて、世界の被災地における調査結果を報告したもの。
・角崎悦子「災害におけるジェンダー~アジア・途上国の視点」、『「災害と女性」情報ネットワーク』、2012.1.17アクセス、
 http://homepage2.nifty.com/bousai/pdf/saigaito.pdf
 *『災害社会学入門』弘文堂、2007に掲載されたもの。途上国における災害とジェンダーの実態等についてまとめている。
・「調査」『ジェンダーと災害復興』、2012.1.17アクセス、
 http://genderdisaster.net/investigation.html
 *阪神・淡路大震災時における男女別死者数が掲載されている。
・近藤民代、葛西リサ「災害時におけるすまいの移行過程のジェンダー格差:阪神・淡路大震災を事例として」『住宅総合研究財団研究論文集 No.35』、2009.3、2012.1.17アクセス、
 http://www.tamiyokondo-lab.jp/pdf/essay/essay_01.pdf
 *男女別の死者数のデータはすべての災害に存在しないこと、ジェンダー格差だけが災害における死者発生や被害状況を左右する要因ではないことが指摘されている。
・上野易弘[ほか]「震災死と孤独死の死因分析とその法医学的検討」『神戸大学都市安全研究センター研究報告』特別報告2、1998.12、2012.3.16アクセス、
 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/infolib/meta_pub/G0000003kernel_00044755
 *震災後の仮設住宅等での孤独死は、男性が多いことが指摘されている。

◆図書、雑誌記事、新聞記事
文献情報データベース等を「災害 ジェンダー」等で検索すると、以下のような資料がある。
・アジア防災センター編『自然災害データブック2003(分析的概観)』神戸アジア防災センター、2004
 Webでも提供されている。2012.1.18アクセス、
 http://www.adrc.asia/publications/databook/DB2003_j.html
・相川康子「災害とその復興における女性問題の構造:阪神・淡路大震災の事例から」『国立女性教育会館研究ジャーナル』10号、p.5-39、2006
 Webでも提供されている。2012.1.18アクセス、
 http://www.nwec.jp/jp/data/journal1002.pdf
・岡本公樹「大津波 高い女性死亡率 江戸・明治」『読売新聞』2011.9.28
・「阪神復興住宅「孤独死」65人:大震災から10年:高齢者8割超、自殺も」『東京新聞』、2004.12.02

コメント

 東日本大震災以降、「災害と男女共同参画」に関する研究や議論の場が増えた。なぜ女性の死者が男性よりも多いのか、災害・復興を男女共同参画の視点から見ると、根源として平時における固定的な性別役割分担意識から生じる、さまざまな社会の仕組みや慣習が影響していることがわかる。

参考事例
(222)地域の防災計画に男女共同参画の視点を取り入れるために参考となる資料等を紹介してください。

ページトップへ

女性情報ポータルWinet
  • 国立女性教育会館 女性教育情報センター

  • 〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728/

    tel: 0493-62-6195/mail:infodiv@ml.nwec.go.jp