事例

事例作成日:2012/03/26
更新日:2012/03/26

質問

(227)児童・生徒や若者を対象としたDV予防啓発の必要性が書かれた資料を探しています。

カテゴリ

03. 教育・研究04. 性・心・からだ・健康

ヒアリングのポイント

・質問者の立場について、教員、女性/男女共同参画センターや社会教育施設の職員、取組みを行おうとしている団体等メンバー、レポートや研究のために必要なのか等、確認する。
・教員等の場合、これまでに授業等でこのテーマを取り上げたことがあるかを尋ね、質問者のテーマの理解度を確認する。また、学校現場で啓発に取り組むにあたっての内部説明資料として必要なのか、自身がこのテーマについて理解を深めるための資料としたいのかなどを尋ねる。

参考資料・情報源

・国立女性教育会館女性情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
・自館所蔵資料データベース
・インターネット

提供情報・回答

◆国の施策
○「男女共同参画基本計画(第2次)」(2005年12月閣議決定)
 若年層を対象とするとは書かれていないが、女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくりとして、暴力の発生を未然に防ぐため、加害者および被害者となることを防止する観点からの予防啓発プログラムの作成とそれを用いた予防のための取組を進めることとしている。
○「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」(内閣府、国家公安委員会、法務省、厚生労働省告示)2008年1月
 Webでも提供されている。2012.3.16アクセス、
 http://www.gender.go.jp/e-vaw/law/houshin.pdf
 *「若年層への教育啓発」について言及している。
○「第3次男女共同参画基本計画」(2010年12月閣議決定)
「第9分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶」の「1 女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり」において、「暴力によらない問題解決の方法が身に付くよう、若年層を対象とする予防啓発の拡充、教育・学習の充実を図る。」こととしている。
 Webでも提供されている。2012.3.16アクセス、
 http://www.gender.go.jp/kihon-keikaku/3rd/3-12.pdf
○内閣府男女共同参画局が若年層を対象とした交際相手からの暴力の予防啓発プログラムを2010年3月に開発、教材(冊子)『人と人とのよりよい関係をつくるために』、指導者用DVD、指導者用手引きを作成した。教材は内閣府ホームページからダウンロードすることができる。2012.3.16アクセス、
 http://www.gender.go.jp/dv/yobou/index.html

◆参考資料
 若年層における交際相手からの暴力は「デートDV」と名付けられ、予防啓発のさまざまな取組がなされている。文献情報データベース等で「デートDV」で検索すると、以下のような資料がヒットする。

<図書、地方行政資料>
・和歌山eかんぱにい企画・編集『「デートDV」についてのアンケート調査「デートDV防止のために」講演会とパネルディスカッション報告書』和歌山eかんぱにい、2011
・愛知教育大学男女共同参画委員会編『中高生のリアルに迫る平等とジェンダー・セクシュアリティの教育』愛知教育大学出版会、2010
・『恋愛力向上ハンドブック : デートDV防止』京都府府民生活部男女共同参画課、2010
・『デートDVの予防啓発に関するニーズ調査報告書』北九州市子ども家庭局男女共同参画推進部、2010
・小野市市民安全部ヒューマンライフグループ制作『「スキ」だから…? : デートDV防止パンフレット』小野市市民安全部ヒューマンライフグループ、2010
・札幌市男女共同参画センター編『デートDVを防止するために大人たちにできることとは : 女性に対する暴力をなくす運動講演会抄録』札幌市男女共同参画センター、2010
・『デートDV防止ハンドブック』佐賀県DV総合対策センター、[2010]
・横浜市市民活力推進局『デートDVについての意識・実態調査報告書』2010
 *参加型ワークショップ形式で実施した予防啓発プログラムの「効果と課題」がまとめられている。Webでも提供されている。2012.3.16アクセス、
 http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/200804/images/phpSt5pkR.pdf

<雑誌記事>
・伊田広行「「デートDV」という問題は、何の問題なのか?」『高校生活指導』189号、p.74-81、2011
・野田朋子「わたしとあなたの対等な関係:デートDVを防ぐために」『季刊セクシュアリティ』52号、p.96-101、2011.7
・松林三樹夫「高等学校デートDVを防ぐために:対等な関係をめざして」『季刊セクシュアリティ』50号、p.74-83、2011.4
・山田典子、山田真司「高校生のDating violenceの特性と課題」『母性衛生』51巻2号、p.311-319、2010.7
・下敷領須美子「大学生・高校生を対象としたデートDV予防教育」『思春期学』28巻2号、p.214-220、2010.6
・野坂祐子「デートDVの被害・加害への介入支援」『臨床精神医学』39巻3号、p.281-286、2010.3
・植田由紀子、安東由則「高校生のデートDVに関する実態調査の分析:予防教育活動の実践から」『臨床教育学研究』16号、p.65-86、2010

<インターネット>
・『STOP!デートDV』せんだい男女共同参画財団、2012.3.16アクセス、
 http://www.sendai-l.jp/stopdv/
 *デートDVの実態や対策などがわかるサイトを集めたポータルサイト。携帯版もある。
・『それってデートDVなんじゃない?』特定非営利活動法人エンパワメントかながわ、2012.3.16アクセス、
 http://www.1818-dv.org/
 *具体的な事例からどうしたらよいかわかりやすく説明し、相談する機関へとつないでいる。チェックリストもあり。

コメント

 配偶者からの暴力のみではなく交際中の暴力問題の顕在化をふまえ、地方自治体でも啓発事業や教材開発に取り組むところが増えてきた。また、交際相手からの暴力をDV防止法の対象にすべきとの意見を表明する専門家や支援団体もある。

・参考事例
(138)高校の授業でデートDVをテーマに取り上げることになりました。教材づくりの参考になる資料などを紹介してください。

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