事例

事例作成日:2011/04/05
更新日:2011/04/05

質問

(216)女性が多い職種への男性の進出度について知りたいのですが。

カテゴリ

06. 社会07. 労働・社会保障10. くらし・環境

ヒアリングのポイント

・質問者自身が女性の多い職種への就職を希望して情報が必要なのか、レポートのため等、目的を確認する。
・具体的に知りたい職業があるのか、あればどの職業なのかをたずねる。
・データが必要なのか、具体例なども含めて知りたいのかをたずねる。

参考資料・情報源

女性情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
自館所蔵資料データベース
インターネット

提供情報・回答

女性が多い職種、男性が多い職種に関する資料は、「文献情報データベース」では「職務分離」というキーワードで検索することができる。

・OECD著;内海彰子訳『女性優位職業の将来:OECD加盟国の現状』カネカリサーチアソシエイツ、2002
 *少し古いが、OECD諸国で女性の多い職業は秘書、初等教育の教職、看護職、保育士、介護職などが挙げられている。

女性の多い職種への男性の参入については、逆より資料が少ないが、上記キーワードの他、特定の職種については、「職業名 男性」で検索することで、資料がヒットする。
看護師、保育士、ホームヘルパー、助産師では以下のような資料がある。

◆看護師
【雑誌記事】
・渡辺真奈美「小児看護に従事する男性看護師の実態:看護管理者に対する質問紙調査から」『教育学研究室紀要:「教育とジェンダー」研究 』第7号、女子栄養大学栄養学部教育学研究室、p.2-14、2007.8
・遠藤美代子(ほか)「病院で治療を受ける男性患者の「性」に関する支援:男性看護師が担う役割の可能性」『日本=性研究会議会報=JASS proceedings』第14巻第1号、p.34-42、2002.12

【新聞記事】
・「ナースの現場 4:女性本位 意識根強く」『河北新報』2009.01.23
・小林篤子, 佐藤浅伸「男性看護師狭き門 インドネシアEPA:日本側は女性優先」『読売新聞』2008.07.29

【映像】
・耳塚寛明監修『仕事君はどう思う?:中高生向け職業教育学習用ビデオ』(27分)岩波映像 (発売)、2005
 *先輩の仕事紹介の一例に「女性の仕事のイメージが強いが<看護師>男性」がある。

【統計、団体】
・「衛生行政報告例」『厚生労働統計一覧』厚生労働省、2011.2.21アクセス、
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19a.html
*隔年報に掲載の表「就業保健師等数の年次推移」から看護職の就業比率がわかる。
・「看護統計資料」『日本看護協会』、2011.2.21アクセス、
 http://www.nurse.or.jp/toukei/index.html
 『看護白書』にも掲載されている。
・『日本男性看護師会』2010.1.21アクセス、
 http://homepage2.nifty.com/malenurse/

◆保育士
【図書】
・小崎恭弘『男性保育士物語:みんなで子育てを楽しめる社会をめざして』ミネルヴァ書房、2005
・菊地恵子、菊地政隆共著『大きなおうちの奮闘記:男性保育士のいる保育園』北水、2004

【雑誌記事】
赤澤淳子「男性保育者が直面するダブル・スタンダード」『家庭科教育』78巻8号、2004.8
中田奈月「男性保育者による「保育者」定義のシークエンス」『家族社会学研究』16巻1号、2004.7

【統計、団体】
・「社会福祉施設等調査」『e-Stat 政府統計の総合窓口』総務省統計局、2011.2.21アクセス、
 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001030513
 *「社会福祉施設等の常勤換算従事者数、職種・常勤-非常勤、施設の種類・経営主体別」「社会福祉施設等の常勤換算女性従事者数,職種・常勤・非常勤、施設の種類,経営主体の公営ー私営別」の各表から男性保育者数が算出できる。
 厚生労働省では保育者のデータについて、かつては男女不問だったが、女性従事者数を取るようになったことで、男女比が分かるようになった。この女性従事者数は3年おきに調査、現在厚生労働省のHP上にアップされているのは平成15年、18年、21年。
・「男性保育士実態調査報告」『大阪男性保育者連絡会』2011.2.21アクセス、
 http://www.kisweb.ne.jp/personal/kitani/dptyousa.html
 *昭和51年から平成10年までだが「全国の男性保育士の数と推移」が掲載されている。大阪のほか、東京、愛知、静岡、山形、兵庫など各地に男性保育者連絡会があり、ホームページを持っているところもある。

◆ホームヘルパー
【図書】
・山根純佳『なぜ女性はケア労働をするのか:性別分業の再生産を超えて』、勁草書房、2010
 *第6章「男性ヘルパーの交渉実践と性別職域分離」
・東田勉『それゆけ!おやじヘルパーズ』講談社、2009

【雑誌記事】
・山根純佳「男性ホームヘルパーの生存戦略:社会化されたケアにおけるジェンダー」『ソシオロジ』158号、p.91-106、2007.2

◆男性助産士
現行の「保健師助産師看護師法」第3条で助産師を女性に限定しているため、男性は助産師の資格を取ることができない。この是非について、以下のような資料がある。
【図書】
・清水久美、坂本みゆき『お産ルネサンス:わたしの身体はわたしのもの』雲母書房、2001

【雑誌記事】
・「このひと:矢島床子さん(助産婦/「男性助産士導入問題を考える会」東京代表)」『女性教養』584、p.13、2001.6
・柳吉桂子(ほか)「男性助産士導入による問題とそれへの対応」『看護』49-9、p.130-140、1997.7

【団体】
・『男性助産士導入を考える■ONLINEネットワーク』、2010.1.21アクセス、
 http://www1.ocn.ne.jp/~popporo/jon_index.html

◆参考
【図書】
・首藤若菜『統合される男女の職場(双書ジェンダー分析;3)』勁草書房、2003
 *男女間での職業の分断、「性別職域分離」についての資料。主に男性の多い職場への女性の進出等の内容であるが参考になる。

【統計】
・「賃金構造基本統計調査」『e-Stat 政府統計の総合窓口』総務省統計局、2011.2.21アクセス、
 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011429
 *統計表「職種・性、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」から各職種の男女別労働者数がわかる。

コメント

参考事例
(165)「男性問題」という言葉を聞きますが、どんなことなのか知りたいのですが。

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