事例

事例作成日:2010/03/10
更新日:2023/11/02

質問

(200)日本の女性関連施設の歴史を知りたいのですが。
基本事例

カテゴリ

05. 政治・政策・法律

ヒアリングのポイント

「女性関連施設」というものを、どのような施設ととらえているか。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・国立女性教育会館女性情報ポータル"Winet"「文献情報データべース」「女性関連施設データベース」「女性デジタルアーカイブシステム」
・インターネット

提供情報・回答

まず「女性関連施設」とは何かであるが、国立女性教育会館「女性関連施設データベース」(https://winet.nwec.go.jp/sisetu/)においては、以下の範囲とし、設立目的から2つに分類している。

1.女性/男女共同参画センター * 婦人会館も含む
 下記いずれかに該当する施設とする。
(1)女性を主な対象として、女性の地位向上・男女共同参画社会の推進等を目的として各種の研修・交流・情報提供・相談等の事業を行っている施設(主に1975年国際女性年以降に設立)
(2)女性団体・グループ等の活動の拠点として、女性の資質・能力の開発や知識・技能の向上を図ることを主たる目的として設置された施設(主に戦後、各地の婦人団体が設立)

2.働く婦人の家  * 勤労女性センターも含む
 勤労女性および勤労者家庭の主婦の福祉の増進、生活と教養の向上を主たる目的として設置された施設
*労働省補助事業として昭和28(1953)年度以降、各地で設立。昭和47(1972)年「勤労婦人福祉法」第13条に「地方公共団体は、必要に応じ、働く婦人の家を設置するように努めなければならない。」が入り、各地で設立が進む。平成6(1994)年度限りで補助は廃止され、平成7年度より男女労働者の職業生活と家庭生活との両立支援に資する施設として「勤労者家庭支援施設」に対する補助に変更されたが、平成15(2003)年度にそれも廃止された。

資料としては「文献情報データベース」で、「女性センター 歴史」等で検索すると、以下のようなものがある。2023.11.2アクセス、
 https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_search/?lang=0
・小田裕子「女性施設の変遷にみるフェミニズムの行方」『女性ライフサイクル研究』23号、p.21-28、2013.11
・青木玲子「青木玲子さんに聞く「女性センター」のこれまでとこれから」『女たちの21世紀』No.60、p.4-9、2009.12
・志熊敦子「婦人・女性施設の役割と課題 : その系譜から考える」『女性教養』571号、p.3-6、2000.5
・志熊敦子ほか「座談会:女性施設の100年史」『女性施設ジャーナル』Vol.1~5、1995-1999
・志熊敦子「エンパワーメントと女性の教育・学習 : 国の婦人教育施策の系譜からみる」『国立婦人教育会館研究紀要』創刊号、p.5-12、1997.10
*「国立女性教育会館リポジトリ」で提供されている。2023.11.2アクセス、
 https://nwec.repo.nii.ac.jp/records/16745
・志熊敦子「生涯学習社会における婦人教育施設の役割:婦人会館の沿革からみる現状と課題」『婦人教育情報』No.30、p.2-8、1994
・志熊敦子編『女性の生涯学習』全日本社会教育連合会、1990

コメント

上記提供情報・回答に見るように、まとめられた資料はあまりないため、それぞれの施設の記念誌や、女性関連施設に関する調査などを紹介する必要がある。
「働く婦人の家」に関する行政資料は、「行政デジタルアーカイブ」女性労働協会、2023.11.2アクセス、
https://www.jaaww.or.jp/history/gazou_kensaku.php
で検索・閲覧することができる。
平成27(2015)年度までは「農村婦人の家」(農村婦人・地域の生活改善、共同学習、農産加工を主たる目的として設置された施設。農林水産省補助事業として昭和52(1977)年度以降、各地で設立)を「女性関連施設データベース」の調査対象としていたが、閉館や公民館への変更が多かったため、対象から外すこととした。
女性関連施設のルーツともいうべき、戦前に奥むめおの作った「働く婦人の家」、戦後の主婦連合会の拠点「主婦会館」の写真、チラシ類は「女性デジタルアーカイブシステム」2023.11.2アクセス、
https://w-archive.nwec.go.jp/il/meta_pub/G0000337warchive
で画像を見ることができる。

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