事例

事例作成日:2005/02/22
更新日:2005/02/22

質問

(127)最近ミスコンテストの公募が減ってきたように思います。なぜ公募する自治体や団体が減ってきたのか、そのあたりの経緯を知りたいのですが。

カテゴリ

02. 歴史・民族・宗教04. 性・心・からだ・健康13. 文化・芸術・スポーツ

ヒアリングのポイント

主催する側なのか、応募しようとしている当事者なのかを確認する。
歴史的な変遷について知りたいのか、各国の事情も必要があるのかを確認しておく。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・WinetCASS「文献情報データベース」
・WinetCASS「女性と男性に関する統計データベース」
・インターネット

提供情報・回答

【ミスコンテストの概要を知るための参考図書】
・横浜市女性協会編『女性問題キーワード111』ドメス出版、1997
・リサ・タトル ; 渡辺和子監訳『フェミニズム事典(新版)』明石書店、1998
・井上輝子 [ほか] 編『岩波女性学事典』岩波書店、2002

【意識調査】
・内閣総理大臣官房広報室『男女共同参画に関する世論調査』内閣総理大臣官房広報室、[1995]
*質問「あなたが、女性の人権が尊重されていないと感じるのは、どのようなことについてでしょうか。この中からいくつでもあげてください。」の回答項目に「女性の容ぼうを競うミス・コンテスト」がある。
*WinetCASS「女性と男性に関する統計データベース」でこの調査結果が検索できる。

【図書・資料など関連資料】
・全国地域婦人団体連絡協議会, 堺市女性団体連絡協議会『ミス・コンテスト NON : 全国3382市町村ミス・コンテスト実態調査資料』堺市女性団体連絡協議会、1989
・井上章一『美人コンテスト百年史 : 芸妓の時代から美少女まで』新潮社、1992
・ナンシー・エトコフ ; 木村博江訳『なぜ美人ばかりが得をするのか』草思社、2000
・三井マリ子『桃色の権力 : 世界の女たちは政治を変える』三省堂、1992
・井上章一『美人論』リプロポート、1991
・加藤秀一[ほか]編『性・身体・母性(フェミニズム・コレクション;2)』勁草書房、1993
・ナオミ・ウルフ ; 曽田和子訳『美の陰謀 : 女たちの見えない敵』TBSブリタニカ、1994
・リタ・フリードマン ; 常田景子訳『美しさという神話』新宿書房、1994
・新しい女と男を考える会編『知っていますか?女性差別一問一答』解放出版社、1994
・安川寿之輔『女性差別はなぜ存続するのか : 差別論入門』明石書店、1996
・吉澤夏子『女であることの希望 : ラディカル・フェミニズムの向こう側』勁草書房、1997
・張競『美女とは何か : 日中美人の文化史』晶文社、2001
・愛知女性政策研究会編『愛知発なんで今ごろミスコンテスト!』同発行、1998
・ヴァルトラウト・ポッシュ ; 渡辺一男訳『なぜそんなに痩せたいの? : 「美人」になりたい女の社会心理学』ティービーエス・ブリタニカ、2003
・西倉実季「ミス・コンテスト批判運動の再検討」『女性学年報』第24号、p.21-40、2003
*一定の成果を上げて来た「ミスコン批判運動」をとらえ直し、伝えきれなかった事柄、批判運動が抱えてしまった限界を検証し、「擁護派」との双方の論点を整理している。

【ビデオ】
・ジョフリー・ダン,マーク・スチワート,クレアー・ルバチ監督『MISS OR MYTH?:ミスコンテストの是非をめぐって』ビデオ・ドック配給、1986
*アメリカでの賛成派、反対派双方の生々しい闘いの記録。歴史的にも詳しく描かれていて、フェミニズム運動の歴史としても興味深い。

【参考資料:日本で初めてのミスコン】
岩波書店編集部編『近代日本総合年表』岩波書店
*明治41年2月28日時事新報主催「ヘラルド・トリビューン」(シカゴ・トリビューンとの記載もある)募集の「ミス・ワールド」の下請けが日本で初めて公募した。もちろん一堂に会するのではなく、写真を並べたとのこと。シカゴへ送ったのも写真。

【新聞クリッピング】
・NWECの「文献情報データベース」の新聞記事検索で「ミスワールド」「ミスコン」などで検索すると、日本や諸外国でのミスコン批判や、「美」のとらえ方の変遷など、多くの情報が得られる。自館で切り抜き情報誌『女性情報』を所蔵していれば、現物の記事にあたることができる。
・「ニュースに見る 女の50年 : 4 : 美人コンテスト : 70年代以降、女性から異議 : 戦後まもなくは人集めに貢献」『読売新聞』、1995.04.14
*このような記事の見出しだけ眺めていても、歴史を知ることができる。
・「特集:CD-ROM「昭和の読売新聞・戦後1」闇市から復興への15年」『読売新聞』、2005.1.28
*CD-ROMの宣伝記事に、1947年のミス日本がとりあげられている。
*記事はインターネットからも入手可能 http://www.yomiuri.co.jp/cdrom/shimbun.htm

【インターネット情報】
・『Miss World :the official website』[日付なし]、MISS WORLD、2007.2.27アクセス、http://www.missworld.tv *ミス・ワールドの公式ウェブサイト
・『Miss UNIVERSE Japan』[日付なし]、 2007.2.27アクセス、http://www.missuniversejapan.com/
・『Miss International Beauty Pageant』[日付なし]、国際文化協会、2005.2.23アクセス、http://www.miss-international.org/
*2004年度ミス・インターナショナル会場は北京(中国国際文化広報センターと国際文化協会共催。国際文化協会は外務省公益法人のひとつ)。通常は東京で開催。
・『ミス日本コンテスト』[日付なし]、スポーツニッポン新聞社、2005.2.23アクセス、http://www.sponichi.co.jp/miss_nippon/

コメント

・早いところでは80年代後半から、最盛期は95年北京会議以降、女性団体から「女性差別」「人権侵害」などというミスコン反対の動きが活発になり、廃止した自治体は多い。また、かつては自治体が主催していたコンテストも、税金を使って差別を助長するという声も相次ぎ、今だに行われているところは地元新聞社、商工会、観光協会などが主催者に代わり、地場産業や観光のPRのためのミスコンに変わってきた。地域情報は商工課や議会図書室で情報を得る事ができる。
・大学祭でもミス○○大学というのがもてはやされた時代もあったが、「女性学」の開講などでだんだん廃れてきたものの、ミスター〇〇大学というものや、男の女装コンテストなど、形を変えて行っている大学もある。
・世界での状況では、コンテストの賞金で家族を養ったり、大学へ進学する資金にするなど、廃止されると困るという声も現実にはあるようだ。
・このテーマは、話題性があって地方新聞にも数多く取り上げられている。NWECの新聞記事検索も役に立つし、地元新聞社への問い合せは興味深い結果が得られる可能性がある。

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