事例

事例作成日:2005/02/18
更新日:2005/02/18

質問

(121)美術の世界では女性が男性と同じように活躍していると思っていましたが、美術史をみるとあまり有名な芸術家はいないようです。女性の視点から美術を考えた資料はありますか?

カテゴリ

13. 文化・芸術・スポーツ

ヒアリングのポイント

・ジェンダー視点による絵画論やフェミニズム批評を読みたいのか
・それに対する反論や論争にも興味があるのか
・美術史において女性の表現者がどう扱われてきたか、また女性がどう表現されてきたかにも興味があるのか
・絵画だけで良いのか。彫刻・写真・映像など芸術表現全般に興味があるのか。
・フェミニズム・アートの画家・彫刻家などに関する資料を知りたいのか、伝記も必要か
・今までに開催された展覧会のリストやカタログも欲しいのか
・日本や世界で開かれている女性視点の展覧会情報をキャッチする方法を知りたいのか
・女性視点の企画展の経験を持つ女性キュレーターの情報も欲しいのか
・公共の場における絵画や彫刻で女性の身体がどういう表現をされているかの調査も必要か

参考資料・情報源

自館所蔵資料データベース
自館作成資料(ちらしファイルなど)
WinetCASS「文献情報データベース」
インターネット

提供情報・回答

【図書】
・ジュディ・シカゴ著;小池一子訳『花もつ女 : ウエストコーストに花開いたフェミニズム・アートの旗手、ジュディ・シカゴ自伝』パルコ出版局、1979
*70年代の英米圏で、美術における女性の不在を問題化する運動に関わったアーティストの著書。
・若桑みどり・萩原弘子『もう一つの絵画論:フェミニズムと芸術』松香堂書店、1991
・富山妙子、浜田和子、萩原弘子『美術史を解きはなつ』時事通信社、1994
・リンダ・ノックリン著;坂上桂子訳『絵画の政治学』彩樹社、1996 
*この他彩樹社からは「フェミニストアートシリーズ」としてケーテ・コルヴィッツやソニア・ドローネなどのアーティストのシリーズが出版されている。
・若桑みどり「都市における視線の支配:市空間に置かれた女性ヌード」(岩波現代社会学8)1996 P.145?178
*放送大学の講義用図書『イメージの歴史』放送大学教育振興会、2000 にも東京の公共彫刻が取り上げられている。
・鈴木杜幾子、 千野香織、 馬渕明子編著『美術とジェンダー:非対処対称の視線』ブリュッケ、1997
・グリゼルダ・ポロック著;萩原弘子訳『視線と差異:フェミニズムで読む美術史(ウイメンズ・ブックス ; 18)』新水社、1997
・北原恵『アート・アクティヴィズム』インパクト出版会、1999。 2000年にⅡも出版されている。
・熊倉敬聡、千野香織編『女?日本?美? : 新たなジェンダー批評に向けて』慶応義塾大学出版会、1999
*欧米の理論をそのまま輸入して展開されてきた芸術におけるフェミニズム理論を「日本」で再考するシンポジウム関連図書。1998年までのジェンダー論争関係の展覧会・論文一覧が載っている。
・若桑みどり『象徴としての女性像:ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象』筑摩書房、2000
・ウィメンズアートネットワーク実行委員会編『ドキュメント越境する女たち21展』彩樹社、2001
*関連ビデオとして、リム・デズリ監督『越境する女たち』もある。
*女性センターの資料室では展覧会のカタログを所蔵しているところもある。Winet文献情報データベースの新聞記事検索でもいくつかヒットする。大阪のドーンセンター情報ライブラリーは女性と表現関係の資料が充実している。

【雑誌】
・西山千恵子「女性と創作:フェミニズムアートを中心に」『お茶の水女子大学女性文化研究センター年報』第1号=通巻8号、1987
・梶本玲子「アメリカ合衆国とフランスにおける1970年代のフェミニスト・アートの動き」『女性空間』(日仏女性資料センター)第10号 p.175-186 、1993.6
*1970年代の米仏のフェミニスト・アートを団体、展覧会、ギャラリー、雑誌についてまとめたもの。年表付き。
・福富幸「特別展『Female Identity(女はどう表現されてきたか)』を終えて」『女性史学』(女性史総合研究会)第7号 、1997
*縄文の土偶から現代の造形作品までの女性像197件を展示した上記展覧会の資料が1996年に岡山県立美術館から発行されている。
・イメージ&ジェンダー研究会『イメージ&ジェンダー』(彩樹社発行、星雲社発売)Vol.1 1999.12+
*展覧会やシンポジウムの開催リストや展覧会評などもある。 Vol.3(2002.11)は千野香織追悼特集となっている。
・萩原弘子「女性アーティストのふり返られ方 : 展覧会がつくりだす女性観、芸術観」『女性学』(日本女性学会 新水社発行)Vol.7 p.23-42 、1999
*アメリカ、イギリス、日本で開かれた女性アーティストの展覧会について述べられている。著者には大阪女子大学の『女性学研究』にも同主題の論文がある。
・「特集 アート・女性・アジア:『私』と社会への視線」『女たちの21世紀』(アジア女性資料センター)Vol.23、2000.7
・西山千恵子「公共空間とジェンダー」『月刊家族』(家族社)No.212、2003.10 ? No.227、2005.1
*公共空間における彫刻などの芸術に対するジェンダーの視点による街角ウオッチングは各地の女性グループや学生が行っており、NWECのワークショップでも取り上げられている。

【インターネット】
・「立命館大学アート・リサーチセンタープロジェクト」の「表象とジェンダープロジェクト」2005.2.15アクセス
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/project/023.html
では過去の催物と報告のページがある。

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