事例

事例作成日:2004/09/30
更新日:2004/09/30

質問

(115)子どもを愛せずに悩んでいる友人(母親)に本を紹介してあげたいのですが、どのようなものがありますか。

カテゴリ

04. 性・心・からだ・健康09. 世帯・家族

ヒアリングのポイント

・育児不安や幼児虐待の可能性もあるケースについて、どのような内容の本・情報を提供することが適当であるのか、慎重にヒアリングする。
・育児がつらい自分について考える、育児不安を生む社会背景について知る、子どもの気持ち・虐待の体験について考えるなど、様々な別の視点を含む文献があることを知らせ、具体的にどのような情報を必要としているのかを絞っていく。
・「児童虐待」など、直接的なことばが使用された文献、あるいは、母親のこころの問題を視野に入れた立場よりも母親を加害者とみる社会問題としての立場をとる視点が強い文献を紹介に含むことが適当であるか否かを判断して対応する。
・文献情報の他に、関連する講座や地域のグループ、または、相談機関を紹介することが適当な場合があることを念頭におく。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・WinetCASS(文献情報データベース)
・グループ情報データベース(自館構築)
・相談機関ファイル(自館作成ツール)

提供情報・回答

【図書】
1.育児不安、育児がつらい自分について考えるもの(母親のこころのケア・こころの問題という視点)
・藤田あみい『懺悔日記 : 子どもの愛し方を知るまで』マガジンハウス、2018

・大日向雅美『子育てがつらくなったとき読む本:悩めるママとの対話から』PHPエディターズ・グループ、2001
・主婦の友社編『カッとなってあとで後悔…子どもをたたくっていけないこと?:ママたちの声がぎっしり』主婦の友社、2000
・主婦の友社編『働くママで、よかった:仕事も、育児も、もっと楽しくなる』主婦の友社、2000
・村本邦子・津村薫『子どもの叱り方(FLC21子育てナビ 2)』三学出版、2001
・窪田容子・村本邦子『子どもにキレてしまいそうなとき(FLC21子育てナビ 5)』三学出版、2002
・宮田雄吾『子育てがつらくなったら読む本:“イライラ”ママの悩みに答える精神科医の処方箋80』情報センター出版局、2004
・俣野温子『育児に疲れを感じたら』海竜社、2002
・森田ゆり『しつけと体罰:子どもの内なる力を育てる道すじ』童話館出版、2003

2.育児不安と社会の関係について知る
・戸江哲理『和みを紡ぐ : 子育てひろばの会話分析』勁草書房、2018


・大日向雅美『母性愛神話とのたたかい』草土文化、2002
・大日向雅美編「特別企画 育児不安」『こころの科学』103号、p.9-101、日本評論社、2002.5
・柏木惠子『子育て支援を考える:変わる家族の時代に』岩波書店、2001
・齋藤学『子供の愛し方がわからない親たち:児童虐待、何が起こっているか、どうすべきか』講談社、1992

3.子どもの気持ち、虐待の体験について考える
・椎名篤子『虐待で傷ついたこころのための本 』大和書房、1998
・ささやななえ;椎名篤子原作『新凍りついた瞳(め):子ども虐待ドキュメンタリー』集英社、2003
*ほか同じ著者の関連図書あり。
・森田ゆり『新・子どもの虐待:生きる力が侵されるとき(岩波ブックレットNo.625)』岩波書店、2004
・MOMO『わかってほしい』クレヨンハウス、2003
・保坂渉『虐待:沈黙を破った母親たち』岩波書店、1999

【ビデオ】
・大阪府男女協働社会づくり財団製作『3歳児神話をこえて(Part1-Part5)』シネマトリックス販売、1999
・毎日EVRシステム製作『育ち育てる子育ての時間:すこやかな明日のために』キユーピー企画、2004
・リュック企画製作『子育ては手をつなぎあって』、1998

*その他、母親のこころの問題との関連では、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」「アルコール依存」「アダルトチルドレン」などに関する文献も関連する可能性がある。
*「育児」「児童福祉」「青少年問題」「家族関係」等の分類の書架に案内して文献をみてもらい、質問者とやりとりをしながら適当な本を探していくことも有効と思われる。

コメント

児童虐待を社会問題として扱った文献は多くあるが、この事例については、育児に悩む当事者が読むことによって、気持ちや行動に前向きな気づきや変化が期待できる可能性のあるものを紹介する必要があるのではないか。質問者および質問者の友人が望んでいるのはどのような情報なのか、あるいは、文献ではなく相談機関の紹介がより適切なのかなどを見極める必要がある。必要に応じて、相談機関(男女共同参画関連施設、子育て支援センター、家庭児童相談室など)の連絡先が書かれたリーフレットなどを渡すことも考える。

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