事例

事例作成日:2004/09/13
更新日:2004/09/13

質問

(105)学校の制服に関する資料はありますか?

カテゴリ

03. 教育・研究

ヒアリングのポイント

1)質問者は制服を着用する当事者(中・高生)または保護者なのか、学校関係者(服装指導など)なのか、研究者等なのか
2)制服強制への疑問(人権に関すること、これまでの裁判例など)、女子がスカートのみで選択肢のないことなどへの不満や制服変更例(自転車通学や掃除など機能面からの問題提起資料・性同一性障害にからんだ法的立場の資料など)、ジェンダーに関するもの(女子のスカート・女子のズボン・男性のスカートに関する考察)、ファッション性(学校選びの基準)に関する資料、制服史資料、制服着用の心理学的考察などのうち、どの主題についてどの程度知りたいかの聞き取りをする。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・WinetCASS「文献情報データベース」
・インターネット

提供情報・回答

【図書】
・難波知子『近代日本学校制服図録』創元社、2016
・難波知子『学校制服の文化史 : 日本近代における女子生徒服装の変遷』創元社、2012
・天野正子, 石谷二郎, 木村涼子『モノと子どもの戦後史』吉川弘文館、2007
・渋谷トレンド研究会『時代を創るガールズ・カルチャー : 世代ごとに見る女子中高生のライフスタイル』ゴマブックス、2006
・森伸之『東京女子高制服図鑑』弓立社、1985-1994 
・森伸之『制服通りの午後』東京書籍、1996 
・神山進編『被服行動の社会心理学』(8章「制服と対人行動」)北大路書房、1999
・森栗茂一『性と子育ての民俗学』(第3章「セーラー服という民具」)明石書店、2000

【雑誌】
・「戦後日本における学校制服の普及過程とその役割」『日本家政学会誌』60-8、2009.8
・「高校生からのレポート : 教育にみる女性差別 : 高校教育現場でのジェンダーを考える」『あごら』283、2003.4
・「学校制服が象徴するものとその歴史的変容 : 詰襟型・セーラー型制服の誕生とその意義」『家庭科教育』76-7、2002.7
・「首都圏における高校生の冬季通学服に関する調査」『家庭科教育』75-7、2001.7
「ジェンダーでみる制服 : ファッションとジェンダー」『かりんかりん』1、2001.3

【ビデオ】
・THINK PINK制作『制服?:公立中学校の場合』、1998
*せたがや女性センター主催のビデオ講座から生まれたグループが、家庭用ホームビデオで撮影したもの。

【インターネット】
・公正取引委員会事務総局『公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書』2018.3.26アクセス http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/nov/171129.files/171129_4houkokusho.pdf
・『福島県立橘高等学校』2018.3.26アクセス http://www.tachibana-h.fks.ed.jp/
*服装は自由、標準服もあり
・『大東学園』2018.3.26アクセス https://www.daitogakuen.ed.jp/about/uniform/
*女子生徒向けにスラックスもあり。制服変更は生徒、保護者、学校の三者協議会(当時は二者)で実現された。2004年国立女性教育会館施設開放ワークショップで報告。2016年にさらにリニューアル。

【その他新聞等記事】
・『朝日新聞』(2010.2.27朝刊)「性同一性障害 鹿児島の中1 学校側、男子制服認める」
・『サンデー毎日』(1996.5.26)大阪府立高校男性教師13人のスカート着用記事。
・『京都新聞』(2004.3.6)京都の公立校でスカートの他にスラックス・キュロット(チェック柄)を選べることになった。
*英国では1999年8月に中学生がスカートを義務づけた校則を性差別として意義を申し立て、翌年校則改正で和解、女性警備員やゴルフ場職員も勝訴しているが、一方大衆紙『デイリー・メール(和訳)』(2004.6.21)によると、ある公立高等学校で女子学生のスカートが禁止され、ズボンのみになった。女子だけがズボン着用を強制されるのは男女差別の声があがる。

コメント

1990年半ばに制服の見直しが行われズボン選択制を採用した学校も登場するが、実際の着用者は少ないとのことである。このところ生徒からの申し入れで制服の見直しを実施する学校も増えてきたが、全国的には様々な事情から拒否するところも多い。いずれにしても生徒・保護者・学校の徹底的な話し合いを基本とすべき事柄なので、話し合いや選択の幅に関する事例資料や記事を用意しておきたい。

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