事例

事例作成日:2004/02/16
更新日:2004/02/16

質問

(97)子どもを持っても働き続けるつもりだったのですが、周りから「三歳までは母親は仕事をやめて子育てに専念した方がよい」と言われています。両立するために説明に参考になる資料はありますか?

カテゴリ

07. 労働・社会保障09. 世帯・家族

ヒアリングのポイント

・データ的なものを探しているのか、事例を求めているのか。
・説明したい相手は親族か、職場か。

参考資料・情報源

・WinetCASS 「文献情報データベース」
・インターネット

提供情報・回答

三歳までは母親の手で育てた方がよい、という考えは「三つ子の魂百まで」を引き合いに出すなど、日本では根強いものがある。ひいてはそれは、女性には自分の産んだ子を慈しみ、守り育てようとする性質が本能的に備わっているという「母性神話」につながっている。

■「三歳児神話」、「母性神話(母性愛神話)」に関する資料
・厚生省監修『少子社会を考える:子どもを生み育てることに「夢」を持てる社会を(厚生白書平成10年版)』
 *「三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない」ということや、「育児不安や育児ノイローゼは、専業主婦に多く見られる」などが掲載されている。
・柏木恵子著『家族心理学 : 社会変動・発達・ジェンダーの視点』東京大学出版会、2003
・柏木恵子著『子どもという価値 : 少子化時代の女性の心理』中央公論新社、2001
・大日向雅美著『母性愛神話とのたたかい』草土文化、2002
・大日向雅美著『母性愛神話の罠』日本評論社、2000
 *両氏とも、心理学の立場から母性・父性について研究を進めており、多くの本・論文が書かれている。
・井上輝子、上野千鶴子、江原由美子編『母性(日本のフェミニズム 5)』岩波書店、1995
・たけながかずこ著『三歳児神話なんて気にしない:のびのび育児で素敵なママに』メディアファクトリー、1994
・柴田芳枝著『看護のなかの母性観:三歳児神話偏重を検討する』MBC21横浜支局・まつ出版、1999
・毛利子来, 山田真編集代表『マズったか?三歳までの育て方(ちいさい・おおきい・よわい・つよいNumber34)』ジャパンマシニスト社、2002
・シルヴィアンヌ・ジャンピノ著;鳥取絹子訳『仕事を持つのは悪い母親? 』紀伊國屋書店、2002

■保育に関しても研究が進んでいる。
・網野武博(主任研究者)「保育が子どもの発達に及ぼす影響に関する研究」『厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書(平成14年度第7/11)』所収、2003
*「保育効果に関する縦断的研究」では、国内外におけるこのテーマの文献を研究し、保育経験の有無ではなく、保育の質が重要な要因であることが指摘されている。「0歳からの保育が子どもの発達に及ぼす影響に関する研究」では、思春期から成人期の各発達段階における保育の影響が検討され、0歳から保育を経験した群が、子育てと就労の両立や保育について肯定的であるとの結果が出ている。

■事例としては、下記のような資料がある。
・とらばーゆ編集部著『働く女性のための仕事&子育てを応援する本』メディアファクトリー、2002
・主婦の友社編『働くママで、よかった:仕事も、育児も、もっと楽しくなる』主婦の友社、2000
・トライワークス編著『仕事と家庭と子育てと、私:働きつづける困難を乗り越えた女性たちの胸のうち』本の泉社、2000
・『学童保育』編集委員会編『ひとりぼっちの子育てよ、さようなら』大月書店、1999
・働く母の会『私たちはこうして大きくなった : アンケート 働く母の子育て 成人した子ら インタビュー』働く母の会 、1994
・働く母の会編『働く母たちの定年:百人の証言』読売・日本テレビ文化センター、1997
*「働く母の会」は、子どもを生んでも仕事を続け、自己実現したいと1954年に結成され、保育所作りなど様々な活動を行っている会。上記の本を読むと、多くの子供たちは、母親が働く事を肯定的に捉えている。

■インターネット
「育時連ホームページ・レクチャー/FAQ」
*育児・育児時間を作るための家事等に関する様々なコンテンツがあるが、その中に三歳児神話についてもわかりやすく書かれたページがある。2004.3.9アクセス http://www.eqg.org/lecture/

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