好きなことを追って~フラワーアレンジメント講師 長井洋子さん~

好きなことを追って~フラワーアレンジメント講師 長井洋子さん~
<プロフィール>
現在自宅でフラワーアレンジメントの教室を開くと同時に、花束やブーケの作成、結婚式の飾りつけ、お店のディスプレイなどの仕事をしています。フラワーアレンジメントの技能は、民間の教室に通って身につけました。(60代)
長井洋子さんのこれまでと
生涯学習との関わり
高校卒業後、地元の銀行に就職。
友人の紹介で、通信教育大学講座で勉強を開始。文学を中心に受講。
銀行を辞め、点字図書館に嘱託職員として勤務。
大学講座創始者の著作を点訳したことをきっかけに、東京にある通信教育大学講座本部に転職。機関紙の編集、講座の運営などを担当する。
結婚・出産を機に退職。やがて出産。
子育てをしながら「子ども文庫」に関わり、「文庫連絡協議会」を立ち上げる。また、手に職をつけるため、写植を1年間勉強。
写植の仕事と並行して、結婚式場でパート勤務を開始。ここで、花の仕事に出会う。
花屋を手伝いながら、フラワーアレンジメント教室に通う。
1990年に花屋を開業。フラワーショップとアレンジメントの両方を約10年続けた後、教室と予約制のアレンジメントのみに専念。
好きなことを追って~フラワーアレンジメント講師 長井洋子さん~
フラワーアレンジメント教室の仕事

長井さんは、埼玉県の住宅地にある自宅で、フラワーアレンジメントの教室を開いています。そのほかに、近くのコミュニティセンターでも教えており、受講生は両方で約50名。ときおりイベントなどで花を飾る仕事や、花束をつくる仕事も入ります。花が好きで今の仕事に満足していますが、大変なのは花材の仕入れ。欲しい花が手に入らないときは、急いでアレンジを変えなければなりません。また、長く続ける生徒が多いため、教える側も勉強して進歩しなければならないそうです。
長井さんが花と関わるようになったのは、パートで結婚式場の配膳などをしていたときでした。花が好きだったので、会場の花を飾る花屋の仕事を熱心にながめていたら、人手が足りないので手伝って欲しいといわれ、喜んで始めました。花屋の仕事を手伝いながら勉強も始めました。フラワーアレンジメントを教える人がまだあまりいない頃のことで、市内で初めて教室を開いた人のところへ習いに行きました。
花屋を手伝っているうちに、自分の考えが自由に活かせるお店、センスの良いお店をつくりたいという思いがつのり、1990年に独立。市の中心街に自分の店を開きました。店売りとアレンジメント教室の両方を10年ほど続けましたが、店と教室の両立が体力的にもきつくなり、今はお店をやめて、自宅での教室とアレンジメントの予約の仕事だけにしています。

銀行員から出発

福島県で高校を卒業。当時神奈川県にあった孤児院「エリザベス・サンダース・ホーム」に就職したいと手紙を書き、内定をもらっていましたが、親の猛反対に会い、結局、地元の銀行に就職。3年ほど働きましたが、もう少しやりがいのある仕事をしたいと思い退社しました。
銀行を辞め、自分は何をしたいのかと模索していた長井さんは、点字図書館の仕事を見つけ、臨時職員として働き始めました。良い本を点訳して多くの目の不自由な人たちに読んでもらおう。生きがいを感じられる仕事でしたが、正規の職員ではないために力を発揮できる場が少なく、もどかしさも感じました。

通信教育大学講座に参加

銀行に入って2年目に、友人の紹介で、通信教育大学講座で勉強を始めました。家の事情で大学進学を断念したので、働きながら勉強したいと思ったからです。キャリアに結びつけようという発想はなく、興味の赴くまま自由に学びました。大学講座では、卒業はできますが、資格は得られません。純粋に勉強したいという人が集まっていて、みなとても熱心でした。スクーリングや、地域ごとの勉強会もありました。
この大学講座の教授陣には、当時の第一線の研究者、教育者が集まっていました。創始者の高瀬兼介先生の人徳があったのでしょう。長井さんは高瀬先生が書いた本を、目の不自由な人に読んでもらおうと点訳しました。その後、福島に講演に来た先生と会い、大学講座の本部に来ないかと誘われて転職を決意。23歳でした。
 東京にある大学講座本部の仕事は、講座の運営と雑誌『いづみ』の編集で、そのために10数名の人が宿舎で共同生活をしていました。定刻に終わるような仕事ではありませんが、向上心のある人たちが多く、有意義な毎日だったといいます。給料は銀行時代の約半分。しかし住まいと食事が共同なので、出費は少なかったそうです。やがて結婚。子どもが生まれて退職しました。講座そのものも、高瀬先生が病に倒れ、数年後に解散しました。

本をめぐる活動

小さい子どもを抱え仕事を辞めた長井さんは、子ども文庫と関わるようになりました。絵本の読み聞かせや子ども向けの本の貸出しを行うグループで、本が好きな長井さんは、この活動にも夢中になりました。そして、仲間と「文庫連絡協議会」を結成。子どもたちに良い絵本を手渡したいという思いで、図書館や幼稚園、保育園、公民館などで、絵本の読み聞かせや昔話を語るという活動をしてきました。交流は今でも続いています。
子どもの手が離れてくると、自分も何か手に職をつけようと思い始めました。自営で働く夫が病気になったときのことが心配だったからです。郷里で印刷所をしていた兄が仕事を回してくれるというので、さっそく写植の勉強を開始。写植の専門学校に半年通って技術を身につけました。
写植の仕事では、チラシのデザインや本づくりをしました。仕事は好きでしたが、細かい作業なので目に大きな負担がかかり、長く続けるには限界を感じました。それと並行して、結婚式場でのパートも始めました。ここで花の仕事に出会い、現在に至っています。夫は、長井さんの仕事や生き方について特に反対もせず、写植を習うときも、フラワーショップを始めるときも自由にやらせてくれました。

夢と仕事

いわゆる生け花は家元制度、流派があり、人に教える資格をとるまでには多くの費用がかかりますが、家元制度のないフラワーアレンジメントでは、ある程度学んだら自分で教えることもできます。長井さんが教室を開いた当時は、まだ教える人の数も少なく、生徒集めに苦労することもありませんでした。
しかし最近では、フラワーアレンジメントにも多くの学校や協会ができ、家元制度と同じような組織になってきました。教える人が増えて、生徒を集めるのも大変になってきています。しかし長井さんは、これ以上規模を大きくしてビジネスとしてやるつもりはないといいます。
長井さんの夢は、子どもの絵本を作ることです。大学講座の本部で雑誌を編集した経験や、写植の技能を活かして、子どもと手製の絵本をつくったことがあります。また、フラワーアレンジメントを教えていて、参考にするテキストがないことに気づき、仲間と企画して出版社に持ち込み、アレンジメントの本を出版したこともあります。このように長井さんは、自分の好きなことを中心に追求しながら、経済的な面でもその時々でうまく判断して、キャリアに活かしています。

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