事例

・条約の概略がわかればよいのか、内容や問題点などを深く知りたいのかを確認する。
・当事者、支援者、研究者、あるいは仕事として情報が必要なのかを、プライバシーに配慮しつつ確認する。

・自館所蔵資料データベース
・国立女性教育会館女性情報ポータル"Winet"「文献情報データベース」
・国立情報学研究所「論文検索ナビゲーターCiNii」
・新聞記事クリッピング
・インターネット

通称「ハーグ条約」と呼ばれる条約はいくつかあるが、2011年現在、日本で問題となっているものは、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction)」である。1980年にオランダのハーグ国際私法会議で採択された、一方の親が子を居住国から不法に連れ去る事件を防止する目的で締結された多国間条約である（出典『デジタル大辞泉』2011.11.18アクセス）。
日本政府は2011年5月に条約加盟を閣議了解し、国内法整備に向けた作業を進めているが、日本と欧米の親権制度が違うことなどから慎重論も強い。

◆文献情報
「文献情報データベース」等を「ハーグ条約」で検索すると、以下のような資料がある。また、現在作業が進められている状況なので、新聞記事クリッピングを検索すると、新たな情報を得ることができる。

【図書】
・コリン P・A・ジョーンズ『子どもの連れ去り問題：日本の司法が親子を引き裂く』平凡社 、2011
・Jeffrey l. Edleson, Taryn Lindhorst [ほか]；大沢真理、高橋睦子、長谷川京子 [訳]『最終報告書「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」と「ドメスティック・バイオレンス」』東北大学GCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」東京大学社会科学研究所連携拠点、2011
・大江千佳 [ほか] 『「子どもの引渡し」の法律と実務』清文社、2010
・サンダース宮松敬子『日本人の国際結婚：カナダからの報告』彩流社、2010
・山下美加『私が誘拐犯になるまで。：クレイジーな元夫との訴訟戦争』サンクチュアリ・パブリッシング(発売)、2010

【雑誌特集号、記事】
・「特集 親権をめぐる動向：民法等改正とハーグ条約加盟へのうごき」『ジュリスト』No.1430、p.4-27、2011.10
・「特集I ：ハーグ条約加盟へ」『女性情報』303号、p.36-61、2011.6
・金澄道子「ハーグ条約加盟と親権・面会交流：金澄道子弁護士 インタビュー」『女たちの21世紀』No. 66、p.18-22、2011.6
・伊藤和子「論点 ハーグ条約批准をめぐって：何が問題か」『女性展望』636号、p.13-14、2011.5

◆インターネット
・「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約（ハーグ条約）」『外務省』2011.9、外務省、2011.10.18アクセス、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
＊ハーグ条約の概要や、仮訳文、国内の動きに関する情報が掲載されている。
・「「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」（ハーグ条約）（アンケート調査の結果）」『外務省』2011.2.2、外務省、2011.9.1アクセス、
　http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/2/0202_03.html
＊2010年5月から11月に行った「国際的な子の移動に関する問題の当事者となった経験のある」日本人を対象としたアンケート調査結果を掲載している。
・「法制審議会：ハーグ条約（子の返還手続関係）部会」『法務省』、法務省、2011.9.1アクセス、
　http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500013.html
＊ハーグ条約締結にあたっての検討課題、裁判判例報告、調査研究などさまざまな資料を見ることができる。
・『ちょっと待って！ハーグ条約』ハーグ「子の奪取」条約の批准に慎重な検討を求める市民と法律家の会（略称：ハーグ慎重の会）、2011.11.18アクセス、
　http://hague-shincho.com/
＊何が問題なのか、諸外国の状況などが掲載されている。
・「Welcome to the Child Abduction Section」『The Hague Conference on Private International Law』、The Hague Conference on Private International Law、2011.9.1アクセス、
　http://www.hcch.net/index_en.php?act=text.display&tid=21
＊ハーグ国際私法会議内の「ハーグ条約」に関するサイト（英語）。条約原文や実践例、ニュースレターなどが掲載されている。