事例作成日:2009/03/19
更新日:2009/03/19
質問
(177)日本の産休(産前産後休業・出産休暇)について調べたいのですが、どのような資料がありますか。
カテゴリ
02. 歴史・民族・宗教04. 性・心・からだ・健康07. 労働・社会保障
ヒアリングのポイント
現在の制度、産休の取得状況、歴史など、どのような点から調べたいのか確認する。
参考資料・情報源
・自館所蔵資料データベース
・国立女性教育会館・女性情報ポータル“Winet”「文献情報データベース」、「女性情報ナビゲーション」
・インターネット
提供情報・回答
1.現在の制度
・「労働基準法」第65条に定められている。「法令データ提供システム」、2009.3.2アクセス、
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html
ただし、休業中の賃金については規定がないので、個々の事業所の労働者と使用者との労働契約による。また、出産手当金として健康保健より、標準報酬日額の6割相当が支給される(休業期間中の日割り)。
◆参考資料
・神田遵『均等法・母性保護・育児介護休業Q&A』労務行政、2008
・浅倉むつ子・角田由紀子編『比較判例ジェンダー法』不磨書房、2007
*妊娠・出産を理由とする雇用上の不利益取扱いについて解説している。
・『母性健康管理ガイドブック』女性労働協会、2007
PDFで提供されている。2009.3.2アクセス、
http://www.jaaww.or.jp/service/womans/pdf/boseikenkou0707.pdf
・産労総合研究所編『ワークライフバランスと労働時間:労働時間管理ハンドブック』産労総合研究所出版部経営書院、2006
・派遣労働ネットワーク『知らないと損する労働者派遣法:イラストでわかる(新版)』東洋経済新報社、2004
・中島通子[ほか]『働く女性の法律Q&A』有斐閣、1999
◆インターネット
・『女性にやさしい職場づくりナビ(厚生労働省委託 母性健康管理サイト)』、女性労働協会、2009.3.4アクセス、http://www.bosei-navi.go.jp/
「女性情報ナビゲーション」のカテゴリー「性・心・からだ・健康」>「妊娠/出産」から関連サイトにリンクしている。
2.産休の取得状況
「雇用均等基本調査」(平成18年度までは「女性雇用管理基本調査」)によって、何年かおきに調べられている。
・『雇用均等基本調査結果報告書(平成19年度)』厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課、2008
Webでも提供されている。2009.3.4アクセス、
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-19.html
*休業期間、休業取得者割合、平均日数など。
・『女性雇用管理基本調査(平成17年度)』厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課、2006
Webでも提供されている。2009.3.4アクセス、http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-18.html
*配偶者出産休暇制度の有無・取得可能日数別事業所割合が調査されている。
・『女性のライフプランニング支援に関する調査報告書』内閣府男女共同参画局、2007.3
Webでも提供されている。2009.3.4アクセス、
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kansieikyo/raifupuran1903.pdf
*育児休業制度の利用状況として、第1子、第2子別に産休を利用したかどうかも調査している。
・『母性保護に係る専門家会合報告書』厚生労働省、2005
Webでも提供されている。2009.3.4アクセス、
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/h0704-2.html
*産前産後休業について検討されている。
3.産休の歴史
産休(産前産後休業・出産休暇)の歴史は、労働における母性保護の歴史であり、女性の権利拡大の歴史でもある。以下のような資料がある。
・駒田富枝『母性保護:輝いて働きつづけたい』学習の友社、1998
*巻末に「母性保護の歴史:年表」がある。
・桜井絹江『母性保護運動史』ドメス出版、1987
・丸岡秀子、山口美代子編・解説『近代日本婦人問題年表(日本婦人問題資料集成10巻)』ドメス出版、1980
*索引に「産前産後休暇」がとられている。
・三井禮子編『現代婦人運動史年表』三一書房、1963
*索引に「産前産後休暇問題」がとられており、事項の説明がある。
・赤松良子編・解説『労働(日本婦人問題資料集成3巻)』ドメス出版、1977
*「工場法」「工場法施行規則」など古い法律を確認できる。
・牧賢一『勤労母性保護』(近代女性文献資料叢書18.女と戦争第18巻)』大空社、1992
*東洋書館、1943の復刻。戦時下の勤労女性の母性保護論。
・黒川俊雄 [ほか]編『男女平等と母性保護(講座現代の婦人労働2巻)』労働旬報社、1978
*日本の母性保護の歴史と、出版当時の日本やヨーロッパ・アメリカの母性保護の状況がわかる。
・高木昌彦、柴田悦子編『働く婦人の健康と母性保護(働く婦人の講座3巻)』汐文社、1974
*復刻が『(戦後女性労働基本文献集』20巻として出ている(日本図書センター、2006)。
・嶋津千利世編『働く婦人と母性保護』労働旬報社、1973
*母性保護の簡単な歴史と出版当時の産休等保護規定の状況がわかる。
・谷野せつ著、北川信編『婦人工場監督官の記録:谷野せつ論文集』ドメス出版、1985
*戦前、婦人工場監督官補として働いていた著者が折々に書いたものをまとめたもの。上巻では「我国産業に於けるふ人労働者の保護」下巻では「事変下に於ける工場婦人の労務事情と其の保護方策」で母性保護について書かれている。
・ハンター,ジャネット著;中林真幸、橋野知子、榎一江訳『日本の工業化と女性労働:戦前期の繊維産業』有斐閣、2008
・『女子保護の概況』昭和28年?昭和60年、労働省婦人少年局(昭和60年は婦人局)
*『女子保護の概況調査(戦後婦人労働・生活調査資料集13?15巻)』クレス出版、1992に昭和28?48年は復刻されている。
・「産休:たたかいの歴史:女性教員の涙が集まり、大きな流れになった」「産休:回顧録:産前産後8週間の取り組み」『季刊女も男も104号』労働教育センター、2005
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