事例

事例作成日:2004/09/28
更新日:2004/09/28

質問

(110)「複合差別」という言葉をみかけましたが、どのような意味ですか?女性に関係のある内容なのでしょうか?

カテゴリ

02. 歴史・民族・宗教06. 社会

ヒアリングのポイント

言葉の意味だけわかればよいのか、「複合差別」の具体的な事例などにも関心があるのかについて、ヒアリングする。

参考資料・情報源

・自館所蔵資料データベース
・インターネット
・WinetCASS「文献情報データベース」

提供情報・回答

複合差別とは、複数の差別が互いに絡み合い、複雑に入り組んでいる状態を指す。1985年ナイロビ世界女性会議のころから人権、民族、階層、障害、性による差別の重複が問題視されるようになった。2003年、国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)が日本レポート審査最終コメントで、マイノリティ女性(部落・民族・在日外国人などの女性たち)の情報が欠如していることを指摘し、教育・雇用・健康・社会福祉・暴力等に関してマイノリティへの複合的な形態の差別と周辺化について懸念を表明して以来、日本でも課題として取り上げられるようになった。


【複合差別とは何かについて】
<図書>
・好井裕明『排除と差別の社会学』有斐閣、2016
・好井裕明『差別の現在 : ヘイトスピーチのある日常から考える』平凡社、2015
・辻村みよ子, 大沢真理『ジェンダー平等と多文化共生 : 複合差別を超えて : 東北大学グローバルCOEプログラム「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」』東北大学出版会、2010

<雑誌記事>
・複合差別」『労働法律句報』1735+36合併号、2011.1
 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/b_18/pdf/o-s3.pdf 2018.4.11アクセス

<インターネット>
・国際人権NGO 反差別国際運動(IMADR)、http://imadr.net/ 2018.4.11アクセス


【女性と複合差別について】
<図書>
・『障害のある女性の生活の困難 : 人生の中で出会う複合的な生きにくさとは : 複合差別実態調査報告書』DPI日本会議、2012
・小林昌之『アジア諸国の女性障害者と複合差別 : 人権確立の観点から』日本貿易振興機構アジア経済研究所、2017
・『日本女性差別事件資料集成 』すいれん舎、2008

<雑誌記事>
・「活動情報 : DPI女性障害者ネットワーク : 「女性×障害=複合差別」をなくすために」『月刊We learn』754、2016.7
・「資料 : 抜粋・障害者権利条約 : 障害のある女性・ジェンダーに関する記述 」『賃金と社会保障』1630、2015.3.25
・「第8回赤松良子ユース賞受賞作 : 障害女性の複合差別の課題化はどこまで進んだか : 障害者権利条約批准にむけた障害者基本法改正の議論を中心に」『国際女性』28、2014.12
・「複合差別実態調査 : 「障害のある女性の生活の困難 : 人生の中で出会う複合的な生きにくさとは」 」『月刊We learn』712、2012.9


【複合差別と明示されていないが、女性であることに加えて、例えば外国人、性的指向、シングルマザーなどの理由で、社会のマイノリティでもある女性たちについて】
・横藤田誠, 中坂恵美子『人権入門 : 憲法/人権/マイノリティ』法律文化社、2017
・長津一史, 加藤剛『開発の社会史 : 東南アジアにみるジェンダー・マイノリティ・境域の動態』風響社、2010
・『STOP!女性とLGBTの人びとへの人権侵害 』アムネスティ・インターナショナル日本、2010

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